コーヒー相場推移 ブラジル・ベトナムでの乾燥懸念から相場価格はかつてないほど急騰!値上げ待ったなし?
本記事では2024年9月末時点でのコーヒー相場について記載します。
ブラジル・ベトナムという2大生産国での乾燥した天候が続いており、
コーヒー相場はアラビカ種、カネフォラ種ともに急上昇しており、
かつて無いほどの価格感に突入しております。
コーヒー相場 2021年以降の原料価格上昇について
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
2024年5月までの推移は 「こちらの記事」 をご覧ください。
アラビカコーヒー相場推移・為替推移
コーヒー生豆の流通価格に直結するグラフをそれぞれご覧いただけます。
①直近半年間のアラビカ種とカネフォラ種の相場価格推移
・・・過去半年間の期間でどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか
②直近半年間の為替($/円)推移と、アラビカ種の理論価格※
・・・為替の変動によってどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか
※理論価格・・・・アラビカコーヒー相場価格(¢/lb)÷ドル換算(100)×為替(円/$)÷キロ換算(0.45359)
というすさまじくアバウトな計算方法によって計算されています。
実際にはここに貨物の保険料やコーヒーの種類によってはプレミアム(価格が上乗せ)がつくので、
日本に入ってくる通常品のコーヒー生豆価格の目安ぐらいに見ていただければと思います。
③過去2年間のアラビカ相場とカネフォラ種の相場価格推移
・・・過去2年間という長期間で見た時に、コーヒーの原料価格がどれぐらい変動しているか
上記のグラフからアラビカ種、カネフォラ種ともに大きく相場価格が上昇しているのが
お分かりになると思います。アラビカ種の主要生産国であるブラジル、カネフォラ種の
主要生産国であるベトナムともに乾燥した天候が続いており、
かつて無いほどの相場価格になっております。
今後の見通し
ブラジルでは9月末から乾燥した天候が10日間ほど続くことが報じられており、
来期生産量の減少や17/18といった大粒生豆の生産量が減ることが懸念されています。
ベトナムでは生産量減少懸念に加えて、かつてないほどの相場価格から農家は
『もっと相場あがれば高く売れて儲かるよな・・・?』という思惑を持ち、売り渋りが続いているようです。
これは収穫が開始される11月ごろまでは継続するものと考えられています。
フーシ派反政府勢力の紅海でのヨーロッパからの物流遅延もある中で、
アメリカでの港湾労働者のストライキが10月1日から実施されることも報告されており、
相場高、商品薄、流通遅延という3重苦状態です。
今後流通価格の下落が期待できるポイントとしては、
①ブラジル、ベトナムでの継続した降雨による生産量見込みの改善
②ベトナムでの11月からの収穫開始による売り渋り改善
③流通遅延改善による物流遅延の解消
の3点です。
現在の状況から、すでに値上げに動いている業者もあり、
12月からの値上げを検討している企業もあります。
この相場状況を一過性のものと捉えるかどうかの判断は本当に難しいですが、
急に価格が下がるような要因がないことからも、値上げするなら今ここだと考えています。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
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投稿者プロフィール
- 西埜元成
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アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
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