コーヒー相場2023年7月 半年ぶりの150¢/lb台に
本記事では2023年7月のアラビカコーヒー相場推移について記載いたします。
7月は2023年1月ぶりにアラビカコーヒー相場は150¢/lb台にまで下落しました。
しかしながら再度高騰してもおかしくない状況は続いておりますので、
現在の状況と今後の見通しについて記載していきたいと思います。
目次
コーヒー相場高騰の発端
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、
2021年7月末に発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。
過去の相場高騰理由の詳細と、相場推移に関しましては
こちらの記事『コーヒー相場の高騰について』をご覧ください。
アラビカコーヒー相場推移(2023.02-2023.07)
以下のグラフはここ半年間のアラビカコーヒーの相場推移をグラフで表したものです。
6月初旬よりアラビカコーヒー相場の推移は下がり、以前にくらべると確かに下がっています。
これは世界最大の生産量を誇るブラジルでの収穫出来高が好調であることに起因しています。
同国での収穫は若干の遅れはありますが、順調に進んでいることや
収穫量もかなりの数量が見込める!という情報があるので、長らく悩まされていた
世界的な在庫不足も解消されそうという明るいニュースによって相場は下降気味です。
アラビカコーヒー相場推移-3年間(2021.08-2023.07)
以下のグラフはここ3年間のアラビカコーヒーの相場推移です。
私のこれまでの経験測では一度高騰したコーヒー相場は1年半ほどかけてゆっくり下がり、
120¢/lb~130¢/lbに落ち着く印象だったのですが、例年の相場高騰時と異なるのは
『コロナウイルスによる様々な問題』、『各地での紛争(エチオピア、ウクライナ)』による
流通遅延や、生産量減少、コーヒーだけではない原価高騰が重なっていることです。
上記のグラフだけ見ると『アラブさん全然値下げしないねェ!どうなってんだい!』と
スゴまれてもおかしくないのですが、現在も円安状況にあるのでコーヒーの価格は
以前に比べるとひじょうに高いのです・・・。お許しください。。
今後の見通し
上記のグラフの通り相場は下落傾向にあるのですが、本記事を記載している8/1には
コーヒー相場は一気に7.8¢/lbもあがって、165.7¢/lbと急上昇しています。
ファンド筋としては『ブラジルでの生産・収穫が順調だからコーヒー相場下がりそう』
という考えで、コーヒー先物を『売り』にでていたのですが、
収穫・生産量が順調なブラジル農家は『過去2年の相場に比べたら安すぎひん?』という
考えで相場がある程度上がるまでは出荷しないよという『売り渋り』状態になっています。
これによって、ファンド筋は『あれ?思っていたよりコーヒー相場下がらないなぁ』と、
売りポジションを解消したため、相場価格が一気にあがりました。これは8月1日の相場を
見ただけなので何とも言えませんが、ブラジルのコーヒー農家がコーヒーの販売を
どの相場感で実施するかによって相場はまた荒れそうです。
今回の記事は以上になります。ブラジル農家もある程度納得した価格で販売がすすみ、
結果として穏やかな相場価格になることを願います・・・。