コーヒー相場2024年1月度 認証在庫数の減少による相場上昇
現在、世界的にコーヒーがあるよという指標になる『認証在庫数』が歴史的な低水準と
なっており、相場価格がジリジリと上昇しております。ブラジルの新穀(2023年度産)
の輸出が始まりましたが、「もうちょっと相場価格あがるんじゃないか・・?」という
農家の売り渋りもあって認証在庫数は以前低水準のままです。
在庫の逼迫感とブラジルでの高温による乾燥懸念から投機筋相場参入も多く、
相場価格は高値で推移しております。
コーヒー相場 高騰の発端
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
相場推移に関しましてはこちらの記事『コーヒー相場の高騰について』をご覧ください。
アラビカコーヒー相場推移・為替推移
アラビカコーヒーの直近半年間の相場推移、2年間の相場推移、為替の推移表です。
先月の時点では円安も少し改善されたか・・・?と思っていましたが、
また145$/円を上回り、結果的に原料価格は上昇しております。
アフリカ産コモディティコーヒーの在庫薄
相場上昇による価格高騰以外の問題も発生しております。
2023年11月以降、イエメンのの親イラン武装組織フーシ派が紅海を航行する
船舶への攻撃を繰り返しており、世界の物流を混乱させ、物価上昇リスクを高めています。
これによって別ルートとしてアフリカ南端に位置する喜望峰に船が集中しており
流通遅延が発生しております。40フィートのコンテナ船の運賃は本問題発生前に比べて、
「2.8倍」ほどの金額になっており、結果として物価上昇を引き起こしています。
アフリカ産スペシャルティコーヒーは日本国内に在庫があるためまだ流通していますが、
コモディティコーヒーは商社に問合せしても、価格も物もでてきません。
現状アフリカからコーヒーを持ってこれる確約ができないから仕方ないのですが、
国内で流通しているコーヒー価格は相場関係なく上昇しております・・・。
今後の見通し
認証在庫数の回復はブラジルの生産量次第というところなのですが、
2023/24クロップの生産量は6,630万袋(前年比6%↑)を予想しており、
明るい生産状況ではあります。増産が確定すれば、生産量がはっきりする
2024年9月末には相場が大きく下がる可能性もあります。
ロブスタ相場は、インドネシア・ベトナムの生産量下方修正によって、
需要に生産量が追い付いていません。過去10年で見ても最高値の相場になっています。
しかもブラジル農家と同じく、高値での取引を期待して売り渋りが続いていること、
上述したスエズ運河停止問題から、欧州への出荷が時間がかかることから在庫の逼迫は
まだまだ続きそうなので、ロブスタ特有の風味を求めないのであればアラビカ種への
変更も検討しなければいけないかもしれません。
ここまでご覧いただきありがとうございます。現状大きく相場価格がさがるような要因が
ブラジルの生産量次第なので、しばらくは高値での取引が続きそうです。。。
投稿者プロフィール
- 西埜元成
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アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。
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