2025年1月末 コーヒー相場推移 未曾有の相場高騰・・・!
本記事では2025年1月末時点でのコーヒー相場について説明します。
すでに各メディア等でご存じかと思いますが、現在コーヒー相場価格はこれまでに程の高騰を続けており、
円安も相まって史上最高値を日々更新しております。まさか、ここまでの高騰になるとは想定できず
日々戦々恐々としておりますが現在の相場状況について説明させていただきます。
コーヒー相場 2021年以降の原料価格上昇について
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
2024年5月までの推移は 「こちらの記事」 をご覧ください。
2024年11月以降の急騰に関しては『こちらの記事』をご覧ください。
アラビカコーヒー相場推移・為替推移
コーヒー生豆の流通価格に直結するグラフをそれぞれご覧いただけます。
①直近半年間のアラビカ種とカネフォラ種の相場価格推移
・・・過去半年間の期間でどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか
1月の中旬ごろから一気に上昇しているのがお分かりになると思います。
②直近半年間の為替($/円)推移と、アラビカ種の理論価格※
・・・為替の変動によってどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか
※理論価格とはアラビカコーヒー相場価格(¢/lb)÷ドル換算(100)×為替(円/$)÷キロ換算(0.45359)というすさまじくアバウトな計算方法によって計算されています。実際にはここに貨物の保険料やコーヒーの種類によってはプレミアム(価格が上乗せ)がつくので、日本に入る通常品のコーヒー生豆価格の目安ぐらいに見ていただければと思います。
③過去2年間のアラビカ相場とカネフォラ種の相場価格推移
過去2年間という長期間で見た時に、コーヒーの原料価格がどれぐらい変動しているか
何故こんなにあがっているのか・・・?
・ブラジルでの乾燥した天候が続いたことによる生産量減少懸念
・ブラジル生豆に出荷遅延
・生豆生産農家の売り渋り
・ベトナムでの生産量減少懸念
上記のような生産量減少や農家の売り渋りから、モノの価格より、モノの確保を優先する
動きが強く、相場を下支えする動きになっております。ブラジルでの干ばつの影響は
「そこまで大きな影響ないんじゃないか・・・?」というような声もあるのですが、
相場がここまで上昇していることから、生産量が多少改善されたからといって
大きな値下がりは期待できないと考えております。
相場高騰前の2021年1月頃にくらべると、相場価格は120¢/lb⇒360¢/lbと
単純計算取引価格は3倍以上になっているのですが、円安傾向もあわせると、
大げさなしに4倍近い原料価格の上昇となっております。
今後さがるのか・・・?
期待をこめて「下がります」と言いたいところですが、現在の勢いを見ると
相場が上がる可能性のほうが高いです。
生産農家や欧米のアナリストはまだまだあがる想定をしており、400¢/lbまで
いく可能性も多いにあるとのことです。下がる要因としてはブラジルでの干ばつ被害が
思ったより小規模だった、ベトナムでの収穫量が上方修正された
などなどがありますが、
おそらくこの上昇分を一気に下げるまではいかないのではないかと考えてます。
エライことになってきましたが、弊社も4月より値上げせざるを得ない状況となりました。
本記事をご覧になっている方は弊社のお客様や、自家焙煎店の方だと思いますが、
店頭販売価格の値上げを早めにしていただけますよう、お勧めいたします・・・。
ここまでご覧頂きありがとうございました。
投稿者プロフィール
- 西埜元成
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アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。