コーヒー生豆の欠点豆とは?
当社ではコーヒー生豆の販売を行っております。その中でお客様からは
『コーヒー生豆のハンドピックってどうすればいいの?』
『どれが風味に悪影響を及ぼす生豆なの?』
『欠点豆って何ですか?』
というお問合せを多々いただきますので、欠点豆の種類について説明させていただきたいと存じます。
欠点とは?
簡単に言うと、『コーヒーの風味・外観影響を及ぼすもの』を欠点といいます。
コーヒー生豆の中でも風味に影響を及ぼす豆のことを『欠点豆』と言います。
ブラジル、インドネシア、ベトナム、エチオピアなどの生産国ではこの欠点の大小が
コーヒーの品質を決めるものとして商品規格としています。
以下の表は各生産国の欠点許容数と許容ごとの規格、どの欠点が何点なのか?をまとめた表です。
ものすごく簡単に言うと、エチオピア現地の鑑定士が生産者から『このコーヒーを買ってほしい!』
という提案を受け鑑定した結果、生豆300g中に黒豆が28粒入っていたら、欠点数『28』とカウントされ、
『あなたが持ってきたコーヒーはG4規格ね!』という流れで規格は決まります。
商品規格をこの欠点数の大小で決めている国ではグレードが高いほど『品質が良いもの』とされるので、
高値で取引されることになりますが、グレードを高めるためには生豆の選別工程にかける費用・時間も非常にかかるので
この作業自体も容易ではありません。このお話はまた別の機会にさせていただきたいと思います。
ちなみに上記の表に書いてあるもの以外にもいろいろな欠点があります・・・。
当社では世界各国の生豆を取り扱っておりますが、楽しみに待っていた麻袋を開封すると
『麻袋を開袋するためのナイフが入っている!』
『生産地の硬貨が入っている!』なんてこともたまにあります。
欠点豆の種類と影響度について
上記に記載している欠点豆の種類は『ニューヨーク式』でのカウント方法なのですが、
他にもブラジル式やコロンビア式などなどいろいろなカウント方法があります。
全てを覚える必要はないと思いますが、
この欠点豆が入ると風味に影響が出る!
というところはいずれのカウント方法でもほぼ共通していますので、
私の経験則にはなりますが影響度の強いものから順にあげていきたいと思います。
※枝や果肉、石などは風味以上の影響があるものなので取り除く前提としています。
影響度 強!!(明らかな影響がでる)
上記の3種類が混入した際は影響度が非常に高いです。100gのコーヒーを使用して、1,800CCのコーヒーを一度に抽出するとします。
そのコーヒーの中に1粒でも上記の欠点が含まれていると『なんだコレ!?』と違和感を感じるほどの影響を及ぼします。
影響度 低(わかりづらいが、影響あり)
風味に影響が無いわけではないですが、取り除くことにこしたことは無いという欠点です。
特に虫食い豆は『虫が入ってるんじゃないのか!』というクレームにもなり得ますので、
できれば除去したいところです。
欠点豆についてのまとめ~
上記以外にも色々な欠点豆はあるのですが、特に影響の度合いが強いものを挙げさせていただきました。
コーヒー生豆は生産地にて様々な選別工程にかけられ欠点豆を取り除く工程にかけられますが、
全てを取り除くことは非常に難しいので、どうしても上記のような生豆が混入します。
自家焙煎を始めたばかりのお客様の中には、
『影響がありそうな生豆は全て取り除いてやるぞ!』
とおっしゃる方がいますが、欠点豆の除去は非常に時間と労力を要しますので、
・混入時の影響を把握して、取り除く欠点に優先度合をつける
・ブラジルNo.2のような欠点許容数の厳しいものはハンドピックに割く時間を短くする
・粉商品だから見た目の問題はクリアできるから、これは使えるかな・・・?
といった一定の基準と許容を設けることも必要ではないかなと思います。
いずれコーヒー生豆のハンドピックについても触れたいと思いますが、欠点豆の種類について
簡単に記載させていただきました。
当社で焙煎しているコーヒーは欠点許容規格の厳しいコーヒーを購入し、
自社で粒形選別、風力選別、金属探知といった選別工程を経ていますので、
少しはこの作業が軽減されると思います!
ここまでご覧いただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
- 西埜元成
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アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。