コーヒー相場2023年5月末時点
いまだ低下することのないコーヒー相場。ブラジルでのコーヒー収穫も始まり、現地の生産者によりますと今のところ収穫は順調とのことですが、ベトナムでの在庫不足によるカネフォラ種不足、カネフォラ種が不足することによるアラビカ種の需要増懸念があり、まだまだ不安定な相場感が続いております。
コーヒー相場高騰の発端
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由と、推移に関してはこちらの記事『コーヒー相場の高騰について』をご覧ください。
直近のコーヒー相場推移(2022年12月-2023年5月)
以下のグラフは過去半年間のアラビカコーヒー相場の推移です。
上記は「アラビカ種」のチャートになりますが、一方コーヒーの年間生産量の内30%~40%程を占めるロブスタの供給不安から一時は190¢/lb台まで上がる展開となりましたが、5月の末には投機筋のポジション整理やブラジルでの収穫良好という情報から、久々に175¢/lbほどに戻るという安定しない相場状況でした。(この2年間ほどは安定していた相場状態は無いといっても過言ではありません。。。)
今年の4月には200¢/lb台を超えていたので、現在の状況からこのまま少しずつ低下していくかな?と淡い期待を抱いておりましたが、円安傾向にあるため相場価格が下がっても結局原料価格は下がらないという状況でございます。
ロブスタ種の価格大幅上昇
アラビカコーヒーの相場価格があがる➡カネフォラ(ロブスタ)種への使用に切り替えてコストアップも少しでも抑える!というのがこれまでの相場価格高騰時の流れだったのですが、これまでと異なるのが、現在ロブスタが過去に見たことのないような相場価格になっているのです。
ロブスタ種は供給量は減少しているのに、需要数が多い(アラビカ種が高いので)ことから相場価格もかなり上昇しており、過去10年で最高価格になっています。ロブスタ種最大の生産国であるベトナムでの生産量は減少見込みであり、現地農家も在庫を持っていないことからロブスタ種の取り合いが始まっています。次いで生産量の多いインドネシアでも豪雨による収穫量減少懸念があるようで、昨年比15%以上の減産が予想されているようです。。。どこの商社に問い合わせしてもロブスタ種が無く、恐らく次回に購入できるのは来年の2月ぐらいになるとのことです。
今後の予想
ロブスタ種の在庫が無いことから、アラビカ種の使用へと変化していくことが考えられるので、これに応じてまた価格があがりそうな予感がしています。救いなのはブラジルでの今季収穫量が多少の減産発表はあったものの、収穫ペースも順調で豊作が見込まれているということです。ブラジルでの豊作が確定的になれば供給不安も解消され、相場は軟化していくのでは・・・と考えております。が!今は価格が下がるのを待つより、いつ欠品してもおかしくないので在庫の確保が優先事項になりますので、皆様におかれましても、購入できるうちに生豆を抑えることをお勧めいたします。ここまでご覧いただきましてありがとうございます。
投稿者プロフィール
- 西埜元成
-
アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。