コーヒー相場2023年9月 相場落ち着くもとまらぬ円安
本記事では2023年9月末時点でのアラビカコーヒー相場推移について記載いたします。
9月は中旬に相場価格が上がったものの、現在は落ち着いた相場感となっております。
しかしながら先月に引き続き円安が止まらず、相場は下がれど円安の影響で
大きくは取引価格が下がっていない状況です。
目次
コーヒー相場 高騰の発端
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
相場推移に関しましてはこちらの記事『コーヒー相場の高騰について』をご覧ください。
アラビカコーヒー相場・為替推移
アラビカコーヒーの直近半年間の相場推移、3年間の相場推移、為替の推移表です。
ここ半年間の推移をみると、緩やかに下落してきたコーヒー相場に対して、円安が進んでいます。
相場価格が下落している分、流通価格は少しずつ下がっているのは確かですが、ご覧の通り
同時に円安も進行しているので大きくは流通価格が下がっておりません。
今後の見通し
6月頃から『ブラジルでの生産量見通しよし!』という情報から少しずつ相場は下がり、
8月には『実際に沢山とれてる!しかも来年も良さそう!』という状況からさらに1段階
下落した相場でしたが、この勢いをあざ笑うかの如く円安が進行しています。
しかしながらブラジルでの来期収穫量も順調みたいなので現状大きく相場が
上がるような要因は無いと考えております。
生産者インタビュー
先週行われた年に一度のコーヒーの祭典『SCAJ』では様々な生産者の方と
お話してまいりましたので、特に印象深かったお話を載せておきます。
ブラジル生産者
ブラジルでの今年の収穫はほぼ終わったよ。今年はかなりのバンパークロップ(収穫量が高い)
になった。去年ぐらいの相場感ならとても儲かったのだけどね。。。
相場あがらないかな~と思って在庫を保有してたけど、あまり変動ないし、売り時逃がすのは
最悪だからかなり取引はすすんでるよ。
コロンビア生産者
エルーニーニョ現象で気温があがったので、今年はブロッカ(虫)が発生しそう。
虫食い豆の被害が大きくなると、収量も落ちれば品質も悪くなる可能性があるので
みんな不安がってる。
ブロッカの問題も怖いけど、もっと大変なのは日本で円安が進んでるように、
コロンビアでも同様にドルペソ高が進んでいて、取引価格がかなり安くなってきてる。
農家の粗利が安くなるからコーヒー生産者が他農作物の生産に移らないか心配。
インドネシア生産者
豪雨の影響で2年連続コーヒーチェリーが落果して、収量が一昨年の30%ぐらい減った。
ここ数年でセミウォッシュ(スマトラ式)の取引価格がかなり上がったので、これまで
バリ島とかフローレス島でウォッシュドを作ってきた農家もセミウォッシュを作るように
なってきているので、出来高の少ないウォッシュドの取引価格が上がっている。
しかも、スマトラ島以外ではコーヒーの樹に直接日光があたらないようにシェードツリーと
してマンダリンオレンジを育てているのだが、この樹からとれる実が高く売れるし、手間も
コーヒーほどではないので、気づいたらオレンジの栽培がメインになっているエリアもある。
来年も収量下がって、恐らく価格高くなるよ。
生産者から聞いたこと-まとめ
いずれの生産国でもここ数年の相場高の影響もあって儲かったけど、生産環境の変化や、
相場安の影響から儲けが減るので、コーヒー生産から離れていかないかを危惧されていました。
今回は以上です。ここまでご覧いただき有難うございました。