アラブ珈琲コンシェルジュ

本記事をご覧いただき有難うございます。
大阪でコーヒーの業務用卸（生豆・焙煎豆）、小売り製品の製造をしております
アラブ珈琲株式会社の西埜元成と申します。

2025年2月に過去最高価格となったアラビカコーヒー相場価格は、
2025年7月に生産量好調とった情報から、2024年11月ぶりの相場感『296￠/lb』まで
下落しましたが、2025年9月1日現在では『386.1￠/lb』まで再高騰。

私のような中小コーヒーロースターや、自家焙煎業者様は揃って、
『またあがんのかい！』とか『いつさがんねん！』と頭を抱える状態に再びなりました。
相場が下がっている時は本記事もスラスラかけるのですが、相場高騰中は
キーボードを叩く手が震えます・・・。

コーヒー相場　2021年以降の原料価格上昇について

コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
2024年5月までの推移は　「こちらの記事」　をご覧ください。

2024年11月以降の急騰に関しては『こちらの記事』をご覧ください。

アラビカコーヒー相場推移・為替推移

コーヒー生豆の流通価格に直結するグラフをそれぞれご覧いただけます。
①直近半年間のアラビカ種とカネフォラ種の相場価格推移
　･･･過去半年間の期間でどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

8月に入った途端一気に右肩あがりとなっているのが、
お分かりいただけると思います。

②直近半年間の為替（$/円）推移と、アラビカ種の理論価格※
　･･･為替の変動によってどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

※理論価格とはアラビカコーヒー相場価格（￠/lb）÷ドル換算（100）×為替（円/$）÷キロ換算（0.45359）というすさまじくアバウトな計算方法によって計算されています。実際にはここに貨物の保険料やコーヒーの種類によってはプレミアム（価格が上乗せ）がつくので、日本に入る通常品のコーヒー生豆価格の目安ぐらいに見ていただければと思います。

③直近2年間　アラビカ種、カネフォラ種相場価格推移

今後の相場動向は・・・？

ブラジルの1部で霜が降りた（産地が凍結する！）という情報もありましたが、
こちらの被害はかなり小さいようです。

今価格が上がっている要因としては、
アメリカがブラジルに課した50%の関税によるものが大きいです。

私は『アメリカがブラジルからコーヒー買わなくなるから、ブラジルの取引価格が
大幅に下がるんじゃないかぁ～～！？』と鼻息荒げておりましたが、
これが全く値下げの要因とならず、むしろ8月からの値上がり要因となっています。

アメリカ『ブラジルからのコーヒー輸入は50%の関税な！』
ブラジル『アメリカ向け出荷がなくなるのはマズイなぁ。他出荷先をさがさないと･･･｡』

アメリカのロースター『マジかよ！価格が比較的安くてマイルドな味わいのあるブラジルの価格が
あがってまうなら、配合変えるしかないで！ホンジュラスとかメキシコは関税も安いし、
クセもないから使いやすそうやな。』

投機筋『これからアメリカの実需筋（ロースター）はコーヒー買う動きが強くなりそうやな・・・
今の内に俺らが買って値上釣り上げといたら将来的に高く売れそうやなぁ！』

ブラジル『あらぁ？アメリカ向けの出荷分どうしようかと思ってたけど、
こんな相場あがってるならしばらくは売らんとこ！』

という流れで価格が上がっております。
コーヒー生産量自体は今のところ安定しているようですが、
利ザヤ目的で動く投機筋によって相場価格が大きく変動しており、
かなり不安定な状態です・・・。

この動きは長く続かないとは思いますが、いつまで続くかは全くわかりません。
再度値上げの可能性もございます・・・。

ここまでご覧頂き有難うございました。