【2025年10月版】コーヒー相場レポート|アラビカ高騰と円安で原料価格は過去最高値か

本記事をご覧頂きありがとうございます。大阪で1962年よりコーヒーの業務用卸(生豆・焙煎豆)、小売り製品の製造をしておりますアラブ珈琲株式会社の西埜元成と申します。
2025年10月には様々な食料品が値上となり、コーヒーに関しても各メーカー大きな値上が実施されました。食品スーパーをぶらぶらするのが好きな私はコーヒーは勿論、卵やチョコレートや海苔の価格上昇には驚きを隠せず、売り場でついつい『高っ!!』と叫んでしまうほどです。
そんな中、コーヒーは9月に続いてさらなる価格上昇を続けており、過去最高値となった2025年2月を超える勢いです。アメリカがコーヒー大生産国であるブラジルとコロンビアへの関税問題から相場価格は8月以降一気に高騰し、まだ収まるところを見せません。
コーヒー相場 2021年以降の原料価格上昇について
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、2025年9月末までの相場推移に関してはこちらの記事をご覧いただければ幸いです。
アラビカコーヒー相場推移・為替推移
コーヒー生豆の流通価格に直結するグラフをそれぞれご覧いただけます。
①直近半年間のアラビカ種とカネフォラ種の相場価格推移 ・・・過去半年間の期間でどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

②直近半年間の為替($/円)推移と、アラビカ種の理論価格※ ・・・為替の変動によってどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

※理論価格とはアラビカコーヒー相場価格(¢/lb)÷ドル換算(100)×為替(円/$)÷キロ換算(0.45359)というすさまじくアバウトな計算方法によって計算されています。実際にはここに貨物の保険料やコーヒーの種類によってはプレミアム(価格が上乗せ)がつくので、日本に入る通常品のコーヒー生豆価格の目安ぐらいに見ていただければと思います。
③直近2年間 アラビカ種、カネフォラ種相場価格推移

2025年6月以降は産地での良好な生産状況から、相場が一時的に下落しましたが、関税問題をうけて一気に再上昇し現在に至ります。
今後の相場動向は・・・?
現在最も相場を混乱させている要因はアメリカから大生産国であるブラジルへの関税50%問題、またコロンビアへの関税率を高めるのではないか?という動きがあることから、コーヒーの相場価格は再度急騰しております。
この大生産国2か国への関税対応がどうなるかで今後のコーヒー相場が動くのではないかと考えています。10月初旬にアメリカのトランプ大統領とブラジルのルラ大統領は電話で協議し、26日はマレーシアで会談していることから、関税に関する協議は進んでいると思いたいのですが、明確な内容は発表されておりません。
ここまでご覧頂き有難うございました。
投稿者プロフィール|Author profile

- 西埜元成営業部 部長
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アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。
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