【2025年11月】コーヒー相場レポート|アジア産地での天候不順等で不安材料が発生・・・

本記事をご覧頂きありがとうございます。大阪で1962年よりコーヒーの業務用卸(生豆・焙煎豆)、小売り製品の製造をしておりますアラブ珈琲株式会社の西埜元成と申します。本記事ではコーヒーの価格が現在どうなっているのかをやさしくまとめてます。
11月のトピック
- アメリカがブラジルへの関税を一部緩和
- ベトナムにて豪雨が発生し、地滑りや流通遅延が発生
- インドネシアスマトラ島にて豪雨が発生、日本人も孤立する事態に
- ジャマイカはハリケーンによって南西部が壊滅的な被害
今月は相場高騰の要因となっていたアメリカのブラジルに対する関税緩和がありましたが、50%→40%では大きな影響はありませんでした・・・。大生産国であるインドネシア、ベトナムが豪雨による影響を受けており、産地へのダメージや流通遅延が発生しそうです。またジャマイカではハリケーンメリッサによって同国南西部は壊滅的な被害を受けています。コーヒー生産エリアへの被害は少ないようですが何らかの問題は発生しそうで、あまり良いニュースはありませんでした。
コーヒー相場 2021年以降の原料価格上昇について
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、2025年9月末までの相場推移に関してはこちらの記事をご覧いただければ幸いです。
アラビカコーヒー相場推移・為替推移
コーヒー生豆の流通価格に直結するグラフをそれぞれご覧いただけます。
①直近半年間のアラビカ種とカネフォラ種の相場価格推移 ・・・過去半年間の期間でどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

②直近半年間の為替($/円)推移と、アラビカ種の理論価格※ ・・・為替の変動によってどれぐらいコーヒーの原料価格が変動しているか

※理論価格とはアラビカコーヒー相場価格(¢/lb)÷ドル換算(100)×為替(円/$)÷キロ換算(0.45359)というすさまじくアバウトな計算方法によって計算されています。実際にはここに貨物の保険料やコーヒーの種類によってはプレミアム(価格が上乗せ)がつくので、日本に入る通常品のコーヒー生豆価格の目安ぐらいに見ていただければと思います。
③直近2年間 アラビカ種、カネフォラ種相場価格推移

今後の相場動向は・・・?
現在の相場価格高騰は『アメリカのブラジルに対する関税率』が主な原因だと考えているのですが、上述の通り10%は緩和されたものの、しばらくは下げないことが予想されます。こうなるとアメリカの主要焙煎会社はブラジルから他生産国への切り替えを図り、これが原因で世界的な在庫数の示す『認証在庫数』が減少し、在庫が少なくなると価格は上昇します。
※アメリカとブラジルの関税率が認証在庫数の減少に直結するわけではありませんが、関税が高い→アメリカにコーヒーを送る物流量が減る→ICE倉庫(ニューヨークのアラビカ先物市場)での量が減る→結果として認証在庫も減りやすくなる ということです。
ブラジルでの生産状況は良好なので早く改善されてほしいものです。ここまでご覧頂きありがとうございます。
投稿者プロフィール|Author profile

- 西埜元成営業部 部長
-
アラブ珈琲株式会社の西埜元成(にしのもとしげ)と申します。
高校生の頃からコーヒーに関わる仕事を始めて早20年。
焙煎豆の挽き売り、生豆商社での経験を活かして生豆販売、
焙煎豆商品の商品設計、焙煎豆製品の製造管理、
自家焙煎店への生豆販売や焙煎サポート 等々コーヒーに関係する
業務に従事しております。
コーヒーに関係する質問や、お店の開店、焙煎方法等で質問ございましたら、遠慮なくご連絡ください。





