【2026年8月最新】消費税率が変わるとどうなる?カフェ・飲食店が知っておきたいテイクアウトとイートインの価格設定

当社は1962年の創業以来、大阪でコーヒー生豆・焙煎豆の卸売業を続けてきました。開業準備中の方やすでにお店を営業されている方から、「消費税が変わるらしいけど、うちの店はどうなるの?」というご質問をいただく機会が増えてきました。特に2026年8月、政府から飲食料品の消費税に関する重要な方針が発表され、カフェ・飲食店の価格設定に直接関わる内容となっています。この記事では、現時点(2026年8月時点)で分かっている情報を整理し、テイクアウトとイートインでの価格設定の考え方について解説します
目次
【まずはここだけ】消費税率変更チェックリスト
- 今回の税率引き下げは「食料品(酒類・外食を除く)」が対象です。
- 期間限定(2027年4月〜2029年3月の2年間)の予定です。
- 店内飲食(イートイン)とテイクアウトで税率が変わる可能性があります。
- 自店のレジ・POSシステムが複数税率に対応できますか
- メニュー表・値札・POPなどの総額表示切り替えの準備を想定していますか?
- 制度はまだ「基本方針」の段階であり、正式決定ではありません。
何が変わろうとしているのか
2026年8月5日に決定された基本方針
2026年8月5日、政府は臨時閣議で、軽減税率が適用されている飲食料品について、2027年4月から2年間、消費税率を現行の8%から1%に引き下げる基本方針を決定しました。1989年の消費税導入以来、税率が引き下げられるのは今回が初めてです。
| 対象期間 | 2027年4月~2029年3月末の2年間(2029年4月には8%に戻る予定) |
| 対象品目 | 現在の軽減税率対象品目(飲食料品。酒類・外食は対象外)が土台になる見込み |
| なぜ1%?? | 税率をゼロにする場合、レジシステムの改修に約1年かかる一方、 1%であれば5〜6ヶ月程度で対応できるため、完全なゼロではなく1%という水準が 採用されたと説明されています |
まだ「決定事項」ではない点に注意
2026年8月時点では、これはあくまで政府の基本方針であり、法律として正式に成立したものではありません。9月の税制改正大綱の決定や、秋の臨時国会での審議を経て、最終的な制度内容が確定する見通しです。細かい対象範囲や実施時期は、今後変更される可能性がある点を理解しておく必要があります。
カフェ・飲食店にとって最大の論点「イートインとテイクアウトの税率差」

現在の税率のおさらい
現在は、同じ商品でも「店内で食べるか」「持ち帰るか」で消費税率が異なります。
| イートイン(店内飲食) | テイクアウト・宅配 |
| 食事の提供 に該当 | 飲食料品の譲渡 に該当 |
| 軽減税率 対象外 | 軽減税率 対象 |
| 消費税 10% | 消費税 8% |
今回の変更で、価格差がさらに拡大する可能性
今回の引き下げが実施されると、テイクアウトの税率が8%から1%に下がる一方、イートインは引き続き10%が適用される可能性が高いとされています。つまり、
| 現在 | 2027年4月以降(想定) |
| イートイン 10% | イートイン 10% |
| テイクアウト 8% (差は2%) | テイクアウト 1% (差は9%) |
このようになり、税抜1,000円のメニューで比較すると、イートインは税込1,100円のままですが、テイクアウトは税込1,010円になる計算です。これまで以上に、同じメニューでも「店内で食べるか」「持ち帰るか」で支払う金額の差が大きくなります。
カフェ経営への影響として考えられること
- お客様がテイクアウトを選ぶ動機が、これまで以上に強まる可能性がある
- イートインとテイクアウトで別々の価格を設定している店舗は、価格差の見せ方・メニュー表記をあらためて見直す必要が出てくる
- 税込価格をあえて統一している」店舗は、実質的な利益率への影響を検討する必要がある
テイクアウト需要の高まりに備えて、今から準備を
税率差が拡大すれば、これまで店内飲食を選んでいたお客様が「持ち帰った方がお得」という理由でテイクアウトに流れる可能性があります。実際に制度が始まってから慌てて対応するのではなく、
- テイクアウト用の容器・パッケージの調達ルートや数量を見直しておく
- テイクアウトのオペレーション(提供スピード、レジ動線、混雑時の対応)を今のうちに整理しておく
- テイクアウトメニューの品揃えや価格設定を、需要増を見込んで改めて検討しておく
といった準備を、制度が正式に固まる前の今の段階から少しずつ進めておくと、実際に制度が始まった際にスムーズに対応できます。
自家焙煎店にとっては「自宅消費を後押しするチャンス」にもなる
見方を変えると、テイクアウトと店内飲食の価格差が広がることは、コーヒー豆をご家庭に持ち帰って飲んでいただく機会を後押しする追い風にもなり得ます。特に自家焙煎で豆売りをされているお店にとっては、
– 「お店の味を、お得にご自宅でも」という形で豆売り・テイクアウトメニューを打ち出しやすくなる
– 制度の話題性を活かして、豆売りコーナーや持ち帰り用商品のPOP・案内を強化するきっかけになる
といった、自宅消費(豆の購入)を後押しするタイミングとして捉えることもできます。単なる制度対応にとどめず、前向きな販売機会として活用する視点も持っておくとよいかもしれません。
現時点では確定情報ではないものの、価格戦略やメニュー構成を見直すきっかけとして、早めに情報を追っておくことをおすすめします
どのように価格表示を行うか?
弊社のお客様にどのように対応するかをヒアリングした結果をまとめました。
①税込み価格据え置き型(税抜価格をステルス値上)
税込価格は変えず、本体(税抜)価格を引き上げて調整。実質的な値上げだが、消費者から見た支払額は変わらないため反発が起きにくい。原材料高騰分の吸収にも使いやすい一方、「便乗値上げ」と受け取られるリスクもある。
② 据え置き+理由明示型
税込価格は据え置くが、「原材料価格高騰のため、消費税の減税分を価格維持に充てさせていただいております」といった形でPOPやメニューに明記する。実質は①に近いが、説明責任を果たす分、顧客の納得感を得やすい。
③ 税率そのまま反映型(本体価格×1.01)
税抜価格は据え置き、税込価格だけが下がる。最も透明性が高く「減税の恩恵をそのまま届けている」と説明しやすい。ただし1%への税率変更では、多くの商品で税込価格の下落幅が数円〜十数円程度とごく小さく、価格改定の手間に対して訴求効果が薄い・・・。
④ 端数調整型(キリの良い価格に丸める)
税率変更で生じる1円未満・数円単位の端数を、300円・350円のようなキリの良い数字に丸める。実質的に②より少し値上げ、または①より少し値下げになるケースが多いが、「価格の分かりやすさ・会計のしやすさ」を理由に説明しやすい。スーパーでの価格調整はこの手法が取られるんじゃないかと思います。
コーヒー豆の仕入れ価格はどうなる?(業務用卸との取引について)
「イートイン・テイクアウトの話とは別に、仕入れているコーヒー豆自体の価格も下がるのでは?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思いますので、この点についても触れておきます。
豆の卸取引にも軽減税率は適用されている
コーヒー豆のような飲食料品は、小売店での販売だけでなく、卸売業者からカフェ・飲食店への業務用取引(BtoB)であっても、「飲食料品の譲渡」として軽減税率の対象になります。つまり、御社が仕入れているコーヒー豆も、現在すでに8%の軽減税率が適用されており、今回の引き下げが実施されれば、この仕入れ取引も1%に変わる可能性が高いということになります。
ただし「値下げ」ではなく「税率が変わるだけ」
ここで誤解しやすいポイントがあります。消費税は、事業者が国に代わって預かり納める税金であり、商品そのものの価格(本体価格)とは別のものです。
本体価格(税抜)1,000円の豆 → 現在:税込1,080円 → 制度変更後(想定):税込1,010円
このように、税率が下がれば支払う税込金額は下がりますが、豆の本体価格(卸売業者の売上・利益部分)が値下げされるわけではありません。「税率が下がる=仕入れ値が安くなる」と感じられるかもしれませんが、正確には「同じ本体価格に対する税額が減る」というのが実態です。
カフェ経営者として知っておきたいこと
- 仕入れ先から届く請求書・納品書の消費税率が、制度変更のタイミングで切り替わる可能性がある
- 総支払額(税込)は下がるが、それは仕入れ先が値引きしているのではなく、税率変更によるものと理解しておく
- 逆に、自店がお客様に提供する際の税率(イートイン10%/テイクアウト1%の可能性)とは別の話であるため、混同しないよう注意する
信頼できる仕入れ先であれば、こうした制度変更のタイミングでも、請求内容についてきちんと説明してもらえるはずです。分かりにくい点があれば、遠慮なく仕入れ先に確認することをおすすめします。
開業前・開業後にできる準備

レジ・POSシステムの確認
複数の税率に対応できるレジやPOSシステムかどうかは、早めに確認しておきたいポイントです。ターミナル型のPOSでは改修に5〜6ヶ月程度かかるとされる一方、クラウド型のスマートレジであれば比較的短期間・低コストでの対応が可能とされています。これから開業される方は、レジ選定の段階でこうした対応力も判断材料に加えておくとよいでしょう。
メニュー表・値札の総額表示への対応
現在も消費税は総額表示(税込価格の表示)が義務付けられています。税率が変わる際には、店内のメニュー表、値札、POP等をすべて新しい税込価格に差し替える必要があります。特にテイクアウトとイートインを併売している店舗では、両方の価格を分かりやすく表示する工夫が必要になります。
売上構成の整理
店内飲食・テイクアウト・宅配・酒類など、自店の売上がどのような構成になっているかを整理しておくと、税率変更が経営に与える影響をあらかじめ把握しやすくなります。
スタッフへの周知・教育
新しい税率やレジ操作について、スタッフ全員が正しく理解し、お客様からの質問にも答えられるようにしておくことも、開業後の混乱を防ぐために重要です。
まとめ|今は「情報を追う段階」、正式決定を待って対応を
- 2026年8月、政府は飲食料品(酒類・外食除く)の消費税を2027年4月から2年間、8%→1%に引き下げる基本方針を決定
- イートインは引き続き10%が想定されており、テイクアウトとの価格差が現在より拡大する可能性がある
- 制度はまだ基本方針の段階であり、今後の国会審議で内容が変わる可能性がある
- 開業前・開業後を問わず、レジシステムの対応力確認、メニュー表示の見直し準備を早めに進めておくと安心
最後に
消費税率の変更は、飲食店経営に直接影響する重要なテーマです。まだ制度の詳細が固まりきっていない段階だからこそ、今のうちに情報を整理し、心構えをしておくことが大切です。当社でも、最新情報が確定次第、続報という形でこのブログでお伝えしていく予定です。
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