コーヒー相場 2023年8月 相場安傾向も円安とまらず
本記事では2023年8月末時点でのアラビカコーヒー相場推移について記載いたします。
8月はこれまでに比べると落ち着いた相場推移となり、原料価格安も期待されましたが、
この相場安をまるまる吸収するように円安状況となっておりますので、
為替の状況も記載していきます。
目次
コーヒー相場 高騰の発端
コーヒー相場価格の高騰は2021年1月からのブラジル生産量減産懸念と、2021年7月末に
発生した産地が凍結する『霜害』の発生を発端としています。過去の相場高騰理由の詳細と、
相場推移に関しましてはこちらの記事『コーヒー相場の高騰について』をご覧ください。
アラビカコーヒー相場推移 2023.03-2023.08
上のグラフはこの半年間のアラビカコーヒー相場推移を表したグラフです。ご覧の通り8月は
過去に比べると相場価格が下がっているのがわかると思います。
要因としては、ブラジルでの収穫が順調で今期の収穫が80%強完了していること。今期は
アラビカ種4,200万袋、コニロン種2,300万袋と合計6,500万袋ほどの収穫を見込めていることです。
昨年の相場であれば200¢/lbを超えていましたが、現在は150¢/lbと落ち着いているため、
ブラジル農家は売りを渋っている状態にあるそうです。これだけ相場価格に差があれば
高く売れる相場感を待ちたいとこですが、いつまでも在庫を抱えているわけにはいかないので、
妥協して生豆を販売したタイミングで相場がまた動くのではないかと考えております。
為替推移 2023.03-2023.08
上記のアラビカ種の相場推移とコメントだけ見れば『価格下がりそう!!』となるのですが、
これがこの半年間の米ドル/円の推移を表すグラフです。アラビカコーヒー相場推移が下落した半面、
円安傾向が続いているのがおわかりになると思います。
コーヒー相場推移だけ見ればやっと価格が下がった・・・と一息つきたいところなのですが、
ご覧の通り円安傾向にあるため、取引される原料価格は大きくは下がっていないのが現状です。
8月末時点では相場下落分は円安によって吸収されるどころか、価格が上がっています。
アラビカコーヒー相場推移 2021.09-2023.08
ここ3年間ほどのアラビカコーヒー相場価格です。2年前を見ると『下がってる!』と
なりそうですが、上記にある為替の影響を受けて原料価格は大きくは下がっておりません。
今後の見通し
上記でも記載しましたが、ブラジルでの生産量・収穫状況ともに順調であることから相場は下落傾向に
あると考えています。しかしながら、この円安傾向では多少相場価格が下がったところで
その恩恵にあずかれそうにはありません。
10月にはブラジルでの収穫も完了しますので、収穫出来高によっては相場が大きく動く可能性があります。
また、11月~1月にかけては中米での収穫も始まるので、これがブラジルの収穫出来高に連動して増えれば
さらなる相場安を見込めますが、何より円安傾向が解消されねば原料価格は変わらないという状況です。
ガソリンも180円超えてきたり、牛乳も200円/1本こえたりと値上げのニュースばかりですが、
適正な価格でコーヒーのご提案ができるように邁進してまいりたいと思います。